夏用の長襦袢の選び方と特徴

夏は湿気が多く、気温も高くなるため、着物の下に着る長襦袢にも快適さが求められます。長襦袢は、着物を着る際に肌に直接触れる大切なアイテムであり、特に暑い夏の季節には、通気性や肌触りが重要です。ここでは、夏用の長襦袢について、その特徴や選び方、そしてコーディネートのポイントを紹介します。

目次

夏用長襦袢の特徴

夏用の長襦袢は、主に素材にこだわりがあります。夏の暑さに対応できるように、通気性や涼しさを重視した素材が使われます。また、着心地の良さも大切です。以下は、夏用長襦袢に使用される代表的な素材です。

絽(ろ)

絽は、夏用の長襦袢に最も一般的に使われる素材です。絽は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の間に隙間を作るように織られた生地で、通気性が良く、風が通り抜けるため、暑い時期にぴったりの素材です。特に、蒸し暑い日本の夏には重宝されます。絽の長襦袢は、肌触りが軽く、さらっとした着心地が特徴です。

麻(あさ)

麻は、夏の着物や長襦袢に非常に適した素材です。麻は吸湿性と通気性に優れており、肌に触れた際のひんやりとした感覚が心地よいです。特に暑い日や湿度が高い日には、麻の長襦袢は快適に過ごすために最適です。しかし、麻はシワになりやすいという特徴もあるため、コーディネートにおいてその自然な風合いを楽しむのが良いでしょう。

絽縮緬(ろちりめん)

絽縮緬は、絽の透け感と縮緬の特徴的なシボ(しぼ)が組み合わさった生地です。縮緬の特徴的な凹凸が肌に優しく、吸湿性にも優れています。この素材は、絽よりも少ししっかりした風合いを持ちながらも、夏の蒸し暑い時期にぴったりの素材です。

絹(きぬ)

絹素材の長襦袢も夏に使われます。絹は吸湿性に優れており、肌に触れた際にサラサラとした感触を与えてくれます。特に絽絹や軽量の絹素材は、通気性がよく、肌へのフィット感も抜群です。絹の長襦袢は高級感があり、特別な日に使うことが多い素材です。

夏用長襦袢の選び方

夏用の長襦袢を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

通気性と吸湿性

夏の長襦袢は通気性が良く、汗を吸収してくれる素材を選ぶことが重要です。絽や麻、絽縮緬などは、湿気がこもりにくいため、蒸し暑い日でも快適に過ごせます。

肌触りの良さ

肌に直接触れる部分だからこそ、素材の肌触りも重要です。絽や麻など、さらっとした肌触りの素材は、肌に優しく不快感を与えません。特に汗をかいたときにも、ベタつかずに快適に過ごせます。

透け感

夏用の長襦袢は、一般的に透け感のある素材が好まれます。透け感があることで、軽やかさや涼しげな印象を与えることができます。また、透け感があることで、着物本来の美しさが引き立ちますが、下に着るものに気を付ける必要があります。例えば、肌着としては、透けても気にならないような色やデザインのものを選ぶと良いでしょう。

色選び

色選びも大切です。夏の長襦袢は、白や淡い色が一般的です。白い長襦袢は清潔感があり、どんな着物にも合わせやすいので重宝します。また、淡い色(薄紫、淡緑、薄青など)の長襦袢も、夏らしさを引き立てるために人気です。

コーディネートのポイント

夏用の長襦袢は、着物と同様に季節感を大切にしたコーディネートがポイントです。

襦袢の色と着物のバランス:長襦袢の色は、着物の色と調和させることが大切です。例えば、淡い色の着物には淡い色の長襦袢を選び、全体的に柔らかい印象に仕上げると良いでしょう。反対に、濃い色の着物には、白や淡い色の長襦袢を選んで、コントラストを楽しむこともできます。

襦袢の形状:夏は軽やかな着心地が求められるため、長襦袢のデザインもシンプルなものが人気です。襟元をすっきりとさせたり、袖を少し短くして風通しを良くしたりするのもひとつの方法です。

まとめ

夏用の長襦袢は、涼しさと快適さを追求した素材やデザインが求められるアイテムです。絽や麻、絽縮緬などの通気性の良い素材を選ぶことで、蒸し暑い日でも快適に過ごせます。また、肌触りの良さや透け感を考慮して選ぶことが、着心地や見た目にも大きな影響を与えます。夏の暑さを楽しみながら、美しく涼しげなコーディネートを完成させましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる